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カリフォルニアのカスタムクラブ、NAKASHIMA GOLFのフィッティング

      2020/07/06

カリフォルニア、ストックトンのカスタムクラブメーカー

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週刊ゴルフダイジェスト「ゴルフギア探検隊」連載でも紹介したのですが、アメリカの高級カスタムクラブメーカー、「NAKASHIMA GOLF」のスタジオが、新橋にできています。ちょうど、GD社の近くで、私が働いていた2002年くらいまで、ゴルフパートナーの本部があったあたりです。

「NAKASHIMA GOLF」は、日系のジョン・ナカシマ氏が立ち上げたカスタムクラブメーカー。現在ではポピュラーになっているヘッドとシャフトの脱着システムを2004年に開発し、そのゴルファーに合わせたカスタムフィッティングとアフターサービスをウリに、地元を中心に非常に評価が高いとのこと。

弾道調整機能を備えた、元祖“カチャカチャ”といえるテーラーメイドの「R9」よりも5年も早く、あくまでもフィッティングのために、このヘッドのシャフトの交換機能を備えているところが面白いと思います。USではじめて脱着システムの特許を取ったということです。

ピュアリングとは?

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広いフィッティングスタジオには、交換用のヘッドとシャフトがズラリと並んでいて、なかなか壮観です。シャフトは、三菱レイヨン、グラファイトデザイン、フジクラといった日本でもお馴染みのメーカーのものを始め、アルディラなどのアメリカメーカーもラインナップ。

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すべてのシャフトに、<ピュアリング>というチューニングを施しているとのこと。
詳細は企業秘密なところもあるようですが、重量や硬さなどを個別に計測し、シャフトが本来の性能を引き出せるように調整しているとのこと。例えば、フレックス表記が「6S」のシャフトが2本あったとしても、ピュアリングされたシャフトは、違う硬さとして仕分けされる場合もあります。つまり、個体差を計測して、より精度の高いフィッティングが行えるようにしてあるということかなと。

日本で仕入れたシャフトも、わざわざアメリカのナカシマゴルフの工房に送って、ピュアリングを施してから、再度日本に送り返しているということで、それだけでも大変な手間とコストがかかってるようです。

飛距離アップ保証とフィッティング

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「NAKASHIMA GOLF」の面白いところは、現在、使用しているドライバー飛距離より、15ヤード以上の飛距離アップが可能としているところ。法律の絡みもあってはっきりとはうたえないようですが、かなり自信があるようです。
また、結果が納得出来ない場合は、シャフト交換、ヘッド交換にも応じることです(60日以内2回まで)。

使っているゴルファーに満足してもらうというのが、メーカーのフィロソフィーなので、一般的なメーカーでは考えられない手厚いサービスが受けられるようです。もっとも価格はアメリカでドライバー一本、900〜1200ドルくらいとなかなか高額です。

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フィッティングは、かなり緻密で、現在の自分のポテンシャルで、最長飛距離を得るのはどうしたらいいかということを弾道計測器を使って、導き出しています。そしてそれに近づけるようにクラブを選択する感じです。

テーラーメイドで、打ち出し角17度、1700回転/分の弾道が得られると、最も飛距離が伸びるとうたっていますが、アプローチはそれに似ています。私の場合も、自分のドライバーで打った弾道は打ち出し角12〜13度、2300回転/分程度。

かつてはこのくらいが適正弾道と言われたものですが、さらに打ち出し角が高く、さらに低スピンになるようなクラブを勧められます。具体的にはロフト角は11.5度のモデル。シャフトは軽く軟らかく、きもち短くなりました。

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で、打った弾道がこちら。

打ち出し角が、18.2度まで上昇。
これは、ロフト角が増えたぶんに加えて、入射角がよりアッパーに入ったため。

バックスピン量は、ちょっとドロップが怖いくらいの1786cpm。
ドラコン選手や超ハードヒッター並みのスピン量です。

このくらいの高打ち出し低スピン弾道になれば、ヘッドスピードが43m/s程度(この写真のケースだと42.3m/s)でも270ヤードがうかがえる、かなりの飛距離アップになります。

よく、一般的な男性ゴルファーと変わらない女子プロが何故飛ばせるか?という問いに多くの方がミート率を要因にあげると思いますが、実際にはそれにプラス、より効率的な弾道ということが言えると思います。つまり、かなり低スピンになっているはずです。

効率よい弾道とは?

これもテーラーメイドの体験会で伺った話ですが、PGAツアープロのレベルでさえ、効率的な弾道を打つプロとそうでないプロで、例えば、同じヘッドスピード、同じボール初速でも20ヤード以上の飛距離差が出るケースもあるといいます。簡単に言うと、ヘッドスピードが同じ50m/sでも、かたや300ヤード、かたや280ヤードといったことが、プロレベルでも起きているということです。

これまで常識的に考えられていた理想弾道よりも、より高打ち出しより低スピンのほうが飛距離が出るわけです。おそらく、これまでの常識もこれから少しづつ変わっていくだろうと思います。クラブ選びも当然変わってきますね。すでに、色んな所でその予兆があります。

ジョン・ナカシマ氏にインタビュー

FWもユーティリティーもなかなかの好モデルでした。
素材からこだわり、個体差をすべて計測して把握した上で使用しています。この辺がまさにカスタムの強み。

あと写真を撮り忘れましたが、アイアンもかなり面白いモデルでした。
シャープな軟鉄鍛造製ですが、強烈にバウンスがついていました。ひょっとしたらストックトンの芝質に合うのかも。

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「NAKASHIMA GOLF」の創始者、ジョン・ナカシマさんとご挨拶。
あんまり日本語はわからないようでしたが、ゴルフはお上手でした。

精度の高いフィッティングを受けて、カスタムフィッティングの可能性を感じることが出来ました。本当に2000cpmをきるような低スピンでいいのかといった問題は検証の必要がありますが、最適最長不到弾道を得ることで、大多数のゴルファーが、クラブで大きく飛距離を伸ばすことがまだまだ可能だと思います。

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