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ピン「G30」デビュー & 塚田好宣プロ3度めの全英オープンへ 〜PING(ピン)2015年新製品発表会〜

      2020/07/06

最新作「G30」登場!

PING G30ドライバー

ピンの新製品発表会に行ってきました。
以前の記事でも紹介した「i25」の発表から、それほど日が経っていないような気もしますが、これは「i25」シリーズが最終段階で、リリースが伸びたため。ピンは、前作の性能を超えないとリリースしないというポリシーを持つメーカー。「i25」の発売が伸びたのもそんなこだわりから。

それプラス、契約する中井学プロが言われてましたが、キープコンセプトなので、クラブを最新モデルにスイッチしても、ほぼ違和感なく使いこなせるのが使いこなせるのもメリットです。

私はピンのクラブといつも好相性。
週刊GDの連載では、「i25」ドライバーに最高点が星5つのところ、飛距離の項目で星6つをつけました。その前の「i20」は実際に長く使用していたのです。「G25」はドライバー、アイアンともずっと購入を検討してるクラブです。

ピンのドライバーの特徴は、重心位置が長く、深く、遠いところにあること。ミスに強く、低重心設計で低スピンで飛ばすクラブです。ヘッド重量が重いのも特徴。

タービュレーター

「G30」ドライバーもそれらの特徴を踏襲しつつ、タービュレーターという新機能で空気抵抗を軽減したモデル。

空気抵抗を減らすという発想は、実はかなり以前からあります。
パーシモンからメタルドライバーに変わった時も、ネックが細いメタルドライバーの方が空気抵抗が少なくて飛ぶといわれたくらいです。いつのまにか空気抵抗のことを言わなくなりましたが、これは空気抵抗よりもヘッド体積増加のメリットのほうが大きかったためでしょう。最近ではフソードリームの「SHEPHERD Air」というドライバーが、流体力学の発想で、気流に着目したコンセプトで作られてます。

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発表会会場で、実際に「G30」を打ってみましたが、文句なくいい感じです。
タービュレーターによる振り抜きの良さも感じました。ピンのドライバーの弱点は、重心距離の長さとヘッド重量の重さからくる振り遅れのリスクですが、「G30」はインパクト付近ですっとヘッドが動いて、ボールがつかまってくれます。純正シャフトの影響も無視できませんが、なかなかいい感じ。
いきなり打った割には、計測数値は、264ヤードと良かったですが、ちゃんとウォーミングアップして打てばまだまだ伸ばせそうです。

G30ドライバー SF tec

ボールのつかまりといえば、今回はウェイトをよりヒール寄りに設定し、つかまりを良くした「SFT」モデルを開発。シャフトもそれに応じて変わるなど、芸の細かいラインナップです。大多数の日本人ゴルファーは、むしろこちらのモデルのほうがマッチしそう。ピンのドライバーの高機能をより活かせる仕様だと思います。

あえて注意点

あんまり褒めすぎるのも気持ちが悪いので、あえて「G30」ドライバーの注意点を書きます。これは、ピンのドライバーに共通する特徴でもありますが。

まず、気になったのはヘッドの重さ。
重ヘッドで飛ばすコンセプトのピンですが、それにしても重い。重心距離の長さ、慣性モーメントの大きさも重く感じる要因かもしれません。シャープに振り切るにはパワーが必要。シャフトを少し短くするのもいいかもしれません。

ピンもテーラーメイドもヘッド重量が200gを優に超えるドライバーをリリースしていますが、平均的な日本人ゴルファーにはちょっと厳しいかなと。

もう一点は、純正シャフトの挙動です。
ピンのドライバーは、つかまりを補うためか、以前から手元寄りの剛性が強く、先端が走るタイプの純正シャフトが装着されています。純正シャフトというと、あまり癖がなく中調子でダラーンとしなるものが多いので、シャフトの挙動にもピンのこだわりを感じます。しかし、ヘッドが重く、シャフトの先端の動きが大きいと、場合によっては不安定な要素になるのではないかと。合う合わないが出やすいのではないかと思います。

試打では上手く打てましたが、私自身は、正直手元が硬いシャフトは苦手。
「G30」ヘッドを使うなら、シャフトはカスタムを選びたいところです。

ピンはフィッティングが充実しているので、この辺はフィッターさんとよく相談して、フィーリングと出球の傾向を把握したほうが良さそうです。一発の飛びよりも安定性を重視すると良さそうです。

他のラインナップも

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当然ですが、ピンは、ドライバーだけでなく、FW,ハイブリッド、そしてなんといってもアイアンの評判がいいです。
今回は、FW、ハイブリッドとも飛距離性能に着眼していて、飛ぶらしいです。ミスに寛容なところと、ボールの上がりやすさ、構えやすさは前作から踏襲されてますね。

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注目の「G30」アイアンが、多くの人が口をそろえて「飛ぶ!」と言われてます。5番アイアンで200ヤード超える人も珍しくない模様。
このところ、ストロングロフトの飛ぶアイアンが特に増えてきたような印象がありますが。これは前作の「G25」と打ち比べながら、評価したいところです。トータルの結果の良い方を購入しようかなと思ってますw

塚田好宣プロ、全英オープン出場!

塚田好宣プロ

発表会のスペシャルゲストには、契約プロの塚田好宣プロが登場。
すでに「G30」ドライバー、FWを試合に投入されているとのこと。
三度目の出場となる全英オープンでも、「G30」を使用を予定、そしてアイアンは最もシャープなモデルである「S55」をチョイスされるようです。

塚田プロといえば、昨年、「G25」ドライバー、アイアンを使用されて、ツアー優勝。全米オープンにも出場されました。その好成績の影には、「G25」の活躍があったわけです。手に馴染んで、実際に成績も良かったクラブをあっさり変えられるものなのか、不思議に感じました。

ラッキーな事に、発表会では、塚田プロに直接その辺のお話を伺う機会がありました。
テストを繰り返し、データ的にも裏づけがとれたので、自信を持って変更できるとのこと。

ドライバーのシャフトは、ずっと愛用していた「TOUR AD BB」から、最新の「TOUR AD MT」に変更。塚田プロといえば、右に出てナチュラルに戻ってくるドローボールが持ち球ですが、「MT」に変更することによって、右に出る度合いが小さくなり、よりストレートに近い弾道になるといいます。

アイアンは、「G25」で安定したドローが打てるものの、ややスピン量が不足していることが課題だったのを、最終的に「S55」で補うというチョイス。全英の硬い地面、グリーンからでボールをあげて止めるためのセッティングですね。

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塚田プロのお話をうかがうと、データを重視していることと、クラブでコース攻略に必要な弾道を得ているというふたつの特徴がはっきりと見えてきます。シンプルで合理的なアプローチ、それにメーカーのサポートがしっかりと支えているという、非常に良い関係を感じました。

ピンの契約プロはグローバルに活躍してるので、結果が楽しみです。

「G30」については、これからさらに研究して、週刊GDの連載でも取り上げたいと思ってます。

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